乙武さんは手や足がなくても、
いろいろな講演活動を行っているのに比べ、
世の中の人たちは、
手足があるというのに、
活躍していない事実について
不思議だなあ、、と思われたことがあったそうです。
その差はどこにあるのでしょうか。
どうして、チャレンジができる人とできない人とがいるのでしょうか。
私も、
できるグループとできないグループが世の中にはあり、
自分はできない属性にあると思い込んできました。
しかし、今は徐々に挑戦する力がついてきました。
今日は、自分の体験から
劣等感をもつに至る経緯と生き方について
学んできたことをお伝えします。
Contents
環境により大きくなる劣等感の仕組み
乙武さんは、手や足がなくても、
生まれた当初、
母親から「なんてかわいい子でしょう!」と
全肯定されて生きてきたそうです。
一方で、成長する段階で、周りから否定されたり、
ありのままを受け入れてもらえない環境にあると、
子どもは生き延びるために、周りからダメ出しされる前に
自分にダメ出しするようになります。
深く傷ついた体験から、もう二度と同じ目にあいたくない、
という気もちから
自分を守るためのダメ出し対策なのです。
これをクリティカル・ボイスといいます。
クリティカルボイスの例
「余計なことを聞くな」「感情を出すな」「楽しむな」
「失敗するのはだめだ」「気が利かないな」
「めいわくかけてるぞ」:すみません、という態度に現れる
「意見が違うのは危険」:同調する姿勢、合わせようとする姿勢につながる。
クリティカル・ボイスがあることで起こる出来事
1、自尊心の低下
ちょっとできなかったり、失敗した経験があると、
やっぱりバカなんだ!といった気もちを強くもち、
自尊心の低下を強化させてしまいます。
2、攻撃される
攻撃性の強い人は、
自尊心が低い人を見て、
執拗に攻めてきます。
「あなたダメねえ!」といった、
自信のないところを攻撃された本人は
深く傷つくことになります。
自信のある人は、
「それがどうしたの?」と
跳ね返すことが可能で無傷ですみます。
しかし自尊心が低下した人は、
「やっぱりだめなんだ。」という証拠をもち、
さらに自尊心を低下させ、傷ついてしまいます。
3、希望、期待、夢をもてない
深く傷つくことを恐れ、
傷ついた環境以外の場面でも自分にダメ出しをし、
人生を前向きに歩めなくなります。
こんなクリティカルボイスがやってきて、
挑戦を阻みます。
・失敗すると怒られるから挑戦をしないでおこう。
・どうせ言ったって、怒られるだけだからやめておこう。
・夢に挑戦したところで、笑われるからやめておこう。
4、状況を正確に把握できない
(安全でも安全と感じられない)
傷ついた体験から、
世の中の人に対する不信感が募ります。
・あの人に嫌われるかもしれない。
・きっと怒られるに違いない。
・危険だ、気をつけろ。
・気を抜くな。
といったクリティカル・ボイスを自ら発しています。
傷ついた環境以外の場所でも
自動的に警戒心が強く働き、
それが適当な場面で働けばよいのに、
うまく働かないことになります。
どのような影響があるか
あなたには、どのようなクリティカル・ボイスがありますか。
それはどのような影響がありますか。
例えば、自分の例をいうと、
失敗をすると怒られるのではないか、という不安から
挑戦することから逃げていました。
何かを成し遂げる前に、自分を信じていないため、
すぐにあきらめてしまい、
「やっぱりだめなんだ」という自分の劣等感を
さらに強めていくことをしていました。
現実を見ることもなくダメ出しばかりしており、
脳もその通りだと思い込み、
クリティカルボイスによって苦しみ、
行動は制御される一方でやりたいことが
できない体はストレスまみれでした。
これが病院に行くと、
いわゆる精神病と判定されるケースなのかもしれません。
また、警戒心の強さが、
対人恐怖や人の目を見て話せない、
話すのが苦手、といったことにつながり、
やはり、私は特別ダメな人間ではないかと思ってきました。
自信のなさは、姿勢にあらわれ、猫背になりました。
このために、職場でも「あなたはほんとにダメねえ!」と
上司に言われてきました。
それが刷り込まれ、
さらに自分の劣等感を深くすることになりました。
クリティカル・ボイスとの付き合い方
クリティカル・ボイスがやってきたことにまずは気づくことです。
劣等感を抱いていることを認識し、一度立ち止まります。
「そうだよね、ダメ出しする自分がいるけれど、
もしかしたら違うかもね。。」
と言ってあげることです。
そこで、これまでの「やっぱりだめなんだよね」といって定義づける選択を変え、
もう少しやってみよう、
話してみよう、と行動を変えることです。
そして少しでもやれた!という、小さな成功体験を積み重ねていくことです。
私も警戒心がとても強く人の顔を見て話すことが
できませんでした。
そのことを情けなく思う自分もありましたが、
それはそれで、現状からスタートするしかありません。
時々、人の顔を見て話せたら、
「あ、今うまくやってるぞ!」と思って
自分をほめてあげています。
すべていつも精神的な強さがあればいい
というところを目指すのではなく、
少しずつ「成功したぞ」「前と違う体験できたね」という
積み重ねをして、実感していくことです。
ダメ出しによる人生は、大変苦しく、生きにくい生活です。
私もよく生きてきたなあと思います。
また、自分でも上記のようなことを実践するのは、
勇気がいるなあ、、と思うことも多々あり、
自分を理解してくれる人と一緒に助けてもらいながらやることもあります。
少しでも参考にしていただければうれしいです。
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※絵は墨絵作家、講師の佐瀬知子さん作です。
以下、知子さんからのメッセージです。
これは、心の中という室内に劣等感の水が
洪水となってあふれているのを、
汲み出そうとして働いている天使たちです。
でも、水の中に魚を見つけたりして、途中で遊んでいます。
劣等感という感情も向き合えば、洪水にもなるし長所の裏側でもあるし、
水のように姿を変えるものかも知れません。
しかしKotoriさんのところでは、あなたと一緒に向き合って
未来に繋がるように協力してくれます。 …のような物語です!