自分に自信をもてない、という方の中には、
何かが人より優れてできることがないといけないと思っていらっしゃらないでしょうか。
人を見るときに、何かができる、できないで判断していないでしょうか。
数年前、教師をしていた学校の子どもたちとのお別れのときのスピーチを紹介いたします。
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私は病気になったときのことをお話しします。
私がかかった病気は、ほかの人になりたい、という病気でした。
私は、勉強ができない、絵が描けない、うまく人と話ができない、いっぱいできないことがありました。
なので、私はダメな人間だと思いました。
今の自分ではなく、いろいろなことをもっとうまくやれる人になりたい、そう思いました。
そしてすぐにでも、そうなりたいと思いました。
ところが、私の身体は思うように動かなくなってしまいました。
歩いたり、立ったりすることができなくなりました。
立ち上がっても、すぐに体がぐったりしてしまいます。
私は横たわったまま、みんなが歩いたり、立ったりするのを見て、
どうしてそんなことができるのか、不思議でなりませんでした。
みじめでした。
しかし、そんな状態になっても、私のそばには、お友達がいてくれました。
友達は私に大切なことを教えてくれました。
どんなに遅くても、私が私のペースで、
ものごとを理解し、私のペースで、小さな小さな一歩を進んでいたならば、それが一番素敵なこと、
私が、私でいることが一番すばらしいことだと教えてもらったのです。
私は元気を取り戻し、今、ここにこうして立つことができるようになったのです。
最後に、実験につきあってください。
手があることを思い出しましょう。
手の重さはありますか。
足はありますか。
地球の重力を感じてみましょう。
地球の重力で体は立っていることができます。
呼吸をしてみましょう。
今、ここに立っていられること、
それってなんてすばらしいのでしょうね。
そこから一歩ずつ歩いていく過程を
踏みしめ、味わってくださいね
今日は、一つずつ進んでいけばいいよという
お話でした。
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今、ここにいること、そのすばらしさ、豊かさを感じる質が、
ご自身の立ち方、自信の持ち方につながってきます。