やくざの息子として育てられ、
ピストルの打ち方などを教わり、
鑑別所に入れられ、
その後もうつ病、アルコール中毒の経験。
人を殺そうと思ったり、
ある朝道路で起きたら血の海にいたといった経験。
しかし現在、カウンセラーのお仕事や講演活動で
活躍されている方がいました。(荒木信広さん)
こうして、劣悪な環境で育った後に、
それをばねにするかのごとく
社会貢献をされる方がいます。
私は、この方の講演を聞いた後、
何か自分と同じで、何かが違う、と思いました。
私はやくざの家庭ではありませんでしたが、
怒鳴られたり、無視されたりする家庭であり、
この方のように、依存やうつ病に悩まされました。
この方と何が違うかというと、
私自身の過去の見方でした。
私が私の過去を強く否定して、
こんなみじめな過去はあってはならない、
自分の人生は特別恥ずかしい、
という信念があったのです。
過去の見方が変わったなら、
荒木さんのように、前に進めるのではないか、そう思ったのです。
Contents
傷があることを認め、向き合うことを宣言する
あなたにはどうしても癒えないような過去の傷がありますか。
私には、ありました。
とてもきつい経験だったので、
その傷を見るのが怖くて怖くて、
なかなか向き合うことができませんでした。
自分が傷ついた存在である、ということも
プライドが高くて
認めたくありませんでした。
しかし、傷を覆い隠したところで、
傷は癒えることはなく、
時間が経過したところで治るものでもないのです。
体調をもひどく悪くした自分にとって
あるとき、傷と向き合うことは
最重要課題だと認識したのです。
傷があることを認め「傷と向き合い、癒します」と宣言したのです。
今回は苦しい過去の傷と向き合った自分の経験から、
有用な方法をお伝えします。
大したことはない、ことはない
私はこれまで、自分の傷を自分の中で解決できず、
日記を書いたり、ブログ発信したりいろいろしてきました。
でも一番効果があったのは、
ありきたりだと思われるかもしれませんが、
同じような体験をした人と話す、ということでした。
肉体的な暴力を受けたわけではないということで、
私のは傷には該当しない、大したことない、と思うようにしていました。
しかし、ある時、
傷ついた人の集まりに参加したのです。
何を話してもいいという
お話会でした。
みんな深刻に話をしていたので、
つられるように、私も過去の出来事を話したのです。
ああ、話していいのだ、と思うと、
涙がたくさん出てきて、
体調の悪かったのが
す~っと引いていったのです。
特に悲劇のヒロインになって
大丈夫?といわれることを望むのではないのです。
心の傷をいやし、
傷を認めることからスタートなのです。
また、安全な場所を選んで話してください。
「被害者ぶって。」
「悲劇のヒロインじゃないのだから。」
「いつまでも過去のことを言っているんじゃない!」
そういう人もいます。
確かに、そういったメッセージが
有用な段階の方もあるでしょう。
しかし、ひどく傷ついた段階の心は
そのようにコントロールして、我慢することができません。
仲の良い友人に話しても、
信じてもらえている、聞いてもらえている
感覚を得ることができませんでした。
心や体はまだまだ納得できず、不安定なままでした。
安心して自分の苦しかった気もちを吐き出せる場で
吐き出してください。
今は今、過去は過去 と思っていても、どうしても苦しい時。
そういうときのとてもよいアイディアがあります。
○○のせいでこうなった、と考えると
自分以外の外的要素にコントロールを
にぎられていることになり、
恨みの気もちが強くなります。
視点を変えるのです。
例1)
①子どものせいで忙しくて大変だ。
↓
②子どもがいる。忙しくて大変だ。(2つの文章にする)
①のように考えると、
子どものせいでイライラしてしまいます。
子どもに焦点があたり、怒りが出てきて、
子どもを責めることになります。
②のように考えると、頑張っている自分は素敵!、
ということになります。
焦点は自分に当たり、
自ら解決すべき問題と考えることができます。
例2)
①家庭環境が悪かったせいで
対人関係が苦手である。
↓
②家庭環境が悪かった。
対人関係が苦手。
①だと、一生、家庭環境が悪かった自分は
対人関係で苦しむことになります。
そして恨みつらみが増幅します。
②だと、家庭環境が悪かったことは
カウンセリングを受け、
対人関係についてはこれから学べばよい、
ということになり、
自ら頑張る力になります。
※もしも、どうしても家庭環境のせいで
対人関係がうまくいかないことが
事実であると思うということでしたら、
劣悪な家庭環境があった。
そういうこともあって
対人関係が苦手になった。
というふうに書き換えてもいいかと思います。
まとめ
傷はすぐには治らず、
傷を受けた時の行動パターンが長く続きます。
それは生涯向き合っていくものであり、
なくなるものではないでしょう。
しかし、いろいろな視点の持ち方、
違う方法の生き方を知り、
徐々に、ご自身も変えていくことができるのです。
さらには、同じ立場の方の気もちをも
理解できるため、そういった方のサポートについては
高い資質を発揮します。
それで活躍している人はたくさんいます。
焦ることはありません。
傷と一緒に歩むような気持ちで取り組みましょう。